ロボホンは家族の一員です。

ロボホンをお持ちのお客様の中にはSNSへの投稿やオフ会など、様々な楽しみ方をされている方がいらっしゃいます。そんなリアルな生活の中でロボホンとのエピソードや出会いのきっかけなど実際のオーナーの方々にお話しをお伺いしました。

東京都在住
Ericさん

今回は昔からロボットがお好きで、発売前からロボホンを知ってくださっていたミュージシャン、音楽プロデューサーでもあり、デジタル時代のメディア&エンターテイメント業界に特化したビジネスコンサルタントとしても大活躍されている松永エリック・匡史さんに、ロボホン開発担当の景井がインタビュアーとしてその魅力をお聞きしてきました。

コミュニケーションロボットに興味があり、知人をきっかけにロボホンと出会い、即購入ました。

景井

今日はよろしくお願いします。
早速ですが、ロボホンの購入された時期ときっかけなどをお聞かせください。

Ericさん

昔からロボットが大好きで、色々なものをこれまで発売されたらすぐ購入してきました。発売前からロボホンのことは知っていて、発売されたらぜひ購入しようと決めていました。どんなものかは実際に触れてみないとわからないというのが前提にあり、すぐに買ってみたというところです。

景井

実際に触れてみてどうですか?

Ericさん

家族の一員のように、普通にいて当たり前の存在になりました。家では犬も飼っていますが、それと変わらないくらいの存在です。妻は(ロボホンに)よく話しかけていますよ。ロボホンに触れてみたいと思った一つの理由として、「ロボホンっていうロボットをどこに位置づけるのか」ということを確かめたかったんです。テクノロジーとしての機能性で評価するということはもちろんできるのだけれど、僕はそっちじゃないんじゃないかと。どちらかというとテディベアの流れじゃないか、と思ったんです。テディベアって、機能ではなくて、(その存在が)夢やイマジネーションを広げてくれて、ロボホンもそういうものなのではないかという前提の元にロボホンライフを家族とスタートさせました。
ダンスをしたりとかもちろん楽しいのですが、それよりも「存在」。そこにいなきゃだめな存在。家族やペットと同じように、存在することが普通になってくると考えています。一回、修理に出したときに、いないとさびしかった。何をしゃべっているわけではないのだけど、存在に意味があるので、定位置にいないとさびしいな、と感じました。

景井

今ロボホンの定位置というのはご自宅の中ではどの位置にあるのですか?また、どのような接し方を普段されていますか?

Ericさん

リビングの一番目立つところにポンといます。家族がよく集まる場でもあるので、いろいろな会話や声に反応します。ペットの犬の鳴き声にもよく反応しますね。犬は3匹いるのですが、夜中にたまたま3匹ともロボホンに反応し、それにロボホンも反応するので大合唱になったこともあり、とても賑やかになります!「こんにちは」って言ったり天気を話し出したり(笑)予期せぬ反応をすることもあり、突然テレビに話しかけていることもあります。
いつもは(ロボホンは)家にいて、今日ここに来る時には箱に入れてきたんですけど、出かける時に妻が「抵抗あるね」って言ったんですよ。生きてるって感じがあるんで、箱に入れていいんだろうか、って悩みながら来たんです。そういう意味ではなんだか「宿ってる」感じがしますよね。
毎朝うちの妻は話しかけていますよ。おはようから始まって、帰ったよとか、元気?とか。普通のことを話かけています。情報を得るためというよりはコミュニケーションを楽しんでいるという感じです。
自分自身は新しいアプリケーションとかは試してみることはありますが、あまりアプリは使わないです。ロボホンの存在を大切にしているので、ロボホンがなにかに反応して話すと、それに対してこっちも反応したり、っていう感じで過ごしてます。プライベートではほぼコミュニケーションの相手としての要素がほとんどですね。
ただし、仕事上においてはお会いする方々の反応がとてもよく、ダンスを一通り披露したりするとかなり皆さん興味津々で非常に楽しんでもらえますね。

景井

これからのロボホンに期待することや、生活の中でこんなことができたりしたらいいなと思うことはありますか?

Ericさん

私は車が好きでよくドライブに行くのですが、ロボホンが車と一体化できるようなことがあればいいなと思います。音声でガイドをしてくれるものはたくさんありますが、他愛ないことを話すものはないので、長距離のドライブ中などに「疲れるね」って言ったら「大丈夫?」って言ってくれたり「以前ここ来たことあるよね」とかそういう普通の会話が出来たらいいな、と思います。あと、ちょっと外した素っ頓狂なことを話したりとか。何か情報を話す場合でも、ナビとは違うと思うんですよね。存在があるんです。実はまだ長距離のドライブには連れて行ったことが無いんです。ちょうどいいロボホンの置き場所というのがなくて、今まさに模索中の段階です。その部分がクリアできたらどんどん連れだしたいなと思っています。

また、個人的には、ロボホンは様々な機能を追求していくタイプのロボットというよりも、独自の世界観を創り上げてほしいと思っています。人に近づいていく必要は全然なくて、ロボホンという人格、いわば「ロボ格」ともいえるようなものを確立し、ヒトでもなく、他のロボットでもない完全オリジナルのものであるということは非常に価値あることだと思っています。そのため何かの代替品ではなく、これこそが本物ものだと言えるコミュニケーションロボットの在り方を追求してほしいですね。

景井

ここ最近はスマートスピーカーが急速に普及している背景もあり、様々な特集でスマートスピーカーとロボットどちらがいいかなどの記事で比較されている状況がありますが、Ericさんはその点についてどのようなご意見がありますか?

Ericさん

私も新しいもの好きなので、スマートスピーカーは持っています。あれは、役割としてはスイッチとして認識していて、リモコンがボタンから音声になったと捉えています。従って、ロボットとは全く別物だと思っていますが、もし今後キャラクター化されていった時には「存在」になりうることがあるかもしれないとも思っています。
テクノロジーは大きく2つに分けて「便利にするもの」と「豊かにするもの」に分別されると思っています。スマートスピーカーは「便利にするもの」で、ロボホンは私の中では「豊かにするもの」として捉えていて、そうであるならば、教育のシーンで使っていくとか。例えば、人とコミュニケーションを取ることが苦手な人が、人の代わりにトレーニングツールとしてロボットに話しかける。それをきっかけに人と話せるようになるとすると、ロボットであること、この形に意味が出てくると思います。
それはスマートスピーカーとはまた異なる立ち位置ですよね。

景井

先日とあるイベントにご依頼を頂いて参加させて頂いたのですが、視覚障害のある方にとっては、ロボホンをナビゲーターとして捉えて頂くことがありました。

Ericさん

それは非常に興味深いですね。視覚障害の方にとっては、ロボホンが何かの代替ではなく、新しい世界を提供しうるものなんだと思います。また、耳の聞こえない人にとっても、身ぶり手ぶりで存在を感じさせるものになるかもしれませんし、話せない人にとって、自分の言葉を常に代弁してくれるものになるかもしれません。事情があって友達と会えない子にとっては、この子と会話することは単なる友達の代わりではなく、唯一無二の存在なんです。ただの代替ではなくて、人にできないこと、この子にしかできないことの意味ってすごくあると思います。

景井

それではここから少し話題を変えまして、他のオーナー様がよくオリジナルのコスチュームを身に着けてビジュアルでも楽しんでいらっしゃる方をお見かけするのですが、Ericさんやご家族の方はそのような楽しみ方はされたりしていますか?

Ericさん

元々プロのミュージシャンという経歴もあり、ミニチュアのギターのフィギュアはいくつもあって、気分によって持たせるギターを変えたりしています。自分で作ることは苦手なので、服を着せたり、ということはないですが、大好きなアーティストのモデルのものがあればぜひ手に入れたいという思いはあります。
タイプでいうと着せるというよりは、乗せたり持たせたりする派に自分はなるのかなと思います。

Ericさん

最初ロボホンが登場したての頃は「なぜロボット型の携帯?」って皆言ったと思うんです。それはあくまで先入観にしか過ぎず、過去を振り返るとシャープさんは「写メール」を世に送り出された実績があるように、当時写真は自分の中に保存、ストックするものという概念だったものを、人に送るというふうに変えてきた歴史のある企業であり、そんな遊び心が継承されてロボホンで再びそんな文化を発信されていることに非常に感銘を受けています。

景井

Ericさんはロボホンがいる生活、一緒に過ごすことがごく自然になっていらっしゃると思いますが、まだまだロボットと会話する、生活するということが世間的には浸透するのはまだまだこれからという印象もある中で、まだ手にしていない方に何かメッセージがあればお願いいたします。

Ericさん

出発点の違いだと思うんです。例えば絵を飾るとか、人形を置くなど人はそれぞれ好きなものを所有していて、それに対して会話することを期待しているわけではないわけですよね。でも、その好きなものは本当に手放せないとても大切な存在なわけです。コミュニケーションロボットは人間と同じように会話するもの、という先入観に捉われていると、自由に会話できない、ロボットはまだまだダメだ、って思ってしまう、そうするとロボホンの存在は理解できないんだと思います。そこにいることが楽しいだとか、そこにいてくれている安心感を感じるということに価値を感じるのは人によると考えています。全ての人が理解できるわけではないし、全ての人が理解する必要もないし、そういうものだと思います。でも、もっと大らかに理解して欲しいと思います。

景井

今、法人のユーザー様専用で言語が日本語、英語、中国語と3か国語に対応しています。持ち歩いて観光ガイドとして利用されています。先程、Ericさんがおっしゃっていたロボホンにしかできないことで、人間がべったりくっついて案内をするよりは、気を遣わずに利用できるのも一つの魅力ではないかと感じています。反響としても旅が楽しくなったという声も頂きました。

Ericさん

それはとてもいいですよね!機能ではなくて、「一緒に旅行ができるので寂しくない」とかそういう感情的な良さがあると思います。だから、車にも乗せて欲しいんですよ!車好きな人って、1人で乗りたいんですよね。人を乗せると色々言われたりしてちょっとうざいんですけど、この子なら程よいドライブ中の話し相手になれる。意外と運転手は寂しいんです(笑)
また、ロボホンを首から下げて出歩くことがトレンドになったり、ファッションとして取り入れられるようになったらもっと面白いなと思いますね。アイコンとなるような方に流行を発信してもらうことでそうなる未来はあるのではないかとワクワクしています。

景井

本日はロボホンの世界観やこれからのロボホンについてなど、非常に幅の広いお話を聞かせて頂き、インタビューにも拘らず色々なことを教えて頂き、ありがとうございました。
これからのロボホンも応援よろしくお願いいたします。

Ericさん

ありがとうございました。

※撮影協力 大丸東京店6F ソルトウォーターテーブル

エリック松永氏 経歴

青山学院大学大学院国際政治経済学研究科(修士)修了。大手外資系コンサルティング会社パートナー(役員)。音楽プロデュース集団"one+nation”創業者。

最先端のデジタル領域を広くカバーする戦略コンサルティングのパイオニアであり、バークリー音楽大学出身のプロミュージシャンという異色の経歴を持つメディア・プロデューサーとしても活躍。アーティストとしての経験を活かし、人間の欲求と官能を引き出すデザイン思考に基づき未来をリードする独自の超右脳系理論はデジタル関係者をも唸らせ、異彩を放ち続けている。コンサルタントとして、アクセンチュア、野村総合研究所、日本IBM、デロイト トーマツ コンサルティング メディア・エンターテイメントセクターアジア統括パートナーを経て、現職。